講演番号 |
要旨 |
J01 |
分子の対称性と組み合わせ論的数え上げを統合的に理解するために,マンダラという概念を提案する.ある分子の点群の位数と同じ数の置換位置をもつ図形を「正則体」(regular body)と称する.正則体の置換位置を分子の点群の部分群に適合するように分割することを「分節」(segmentation)という.正則体をさらに正則体に配置した図形を「マンダラ」(mandala)と称する.マンダラを分子の点群の部分群に適合するように分割することを「集約」(assemblage)という.「分節」と「集約」は数学的には同一の取り扱いができるので,分子内部の立体化学,分子間の立体異性,さらには組み合わせ論を統合的に取り扱う新しい方法となる. |
J02 |
基盤ソフトウェアのオープンソース化は共通技術の共有化によるソフトウェア技術の発展と次世代の育成と継承のために重要である.しかし,化学ソフトウェアの市場は圧倒的に欧米製のもので占められており,かつ共通技術であっても公開されているソースコードは極めて少ないのが現状である.そこで我々は,基盤技術の一つである化学グラフィックソフトウェアのオープンソース化に向けてライブラリの構築を進めてきた.今回,本ライブラリの公開に向けて,その機能と特色について,考え方と合わせて報告する. |
J03 |
反応設計をする上で、逆合成設計から得られた反応案を評価するためには、反応物(前駆体)からどのような生成物が得られるかを知ることは重要である。我々はかねてより、これを実現するための反応生成物予測システムを開発してきた。このシステムのアルゴリズムと実行事例などを通して、反応設計への有用性を示す。 |
J04 |
受容体表面の窪みをアルファサイトとして検出し、その形状と受容体原子による排除体積に基づいてリガンドの占めるべき位置と入れない位置を表わすASE モデルを考案した。それに対してリガンドを剛体で重ね合わせることにより、高速かつ高効率にリガンドを受容体上に配置するドッキング法、 ASEDock を開発した。これを高解像度の受容体‐リガンド複合体構造のテストセットで検証した結果を報告する。 |
J05 |
当グループでは密度汎関数法に基づくタンパク質全電子計算プログラムProteinDFを開発し、現在文科省ITプログラム「戦略的革新シミュレーションソフトウェアの研究開発」プロジェクトでこれを発展させている。現在整備中のProteinDFにより300残基規模のタンパク質の全電子計算まで可能となり、1000残基規模のタンパク質の全電子計算も夢では無くなった。ProteinDFの開発・整備およびProteinDFを中核としたタンパク質量子計算システムに関する現状報告を行う。 |
J06 |
階層分析法(AHP)は、人間の主観による曖昧な判断を取り入れ、客観的尺度に置き換えて意思決定を行なう手法である。これまで、主に、社会科学の領域でAHPは用いられており、自然科学では用いられることはなかった。発表者らは、AHPの特性に着目し、これまでに、AHPの自然科学での応用研究を進めてきた。一つの例として、医療システムの評価を行い、一定の成果を挙げた。本研究では、更に、AHPの利用範囲を広げるために、医学・薬学教育への利用研究を行なった。ある疾患症状に対して、評価項目を定め、学生に回答をさせる形式をとった。まず、ベテランの医師に回答をしてもらい、本システムの妥当性を評価したので、この結果を報告する。 |
J07 |
DNA micro array はゲノム研究を加速している中核技術である。しかしデータの次元が大きい為、データの解釈や相互比較が難しい事が障害である。従来、発現データは階層的クラスタリングで分類されてきたが、この方法は後から増えた情報を付け足す事が出来ない、分類時の線引きが曖昧である、という欠点を持つ。そこで今回は、カーネル主成分分析法などを用い、非線形分類法による分類を試み、一定の成功を収める事が出来たので、報告する。 |
J08 |
SIMCAは、主成分分析を基礎としており、各サンプルから、各クラスへの距離を二次元平面上(cooman’s plot)に表現することができる。したがって、サンプル相互の関係がわかり易く、また、あるクラスに帰属するか否かの検定ができる点も長所と考えられる。しかし、変数の選択がSIMCAのこれらの長所に影響を及ぼすため、変数の選択方法について、比較検討した結果について報告する。 |
J09 |
PLS回帰分析に遺伝的アルゴリズム(GA)を組む合わせ、検量線構築時にアウトライヤーの除去を行う手法を新たに提案する。本手法は多目的GAにより、トレーニングセットだけでなくテストセットの結果も考慮したパレート最適解を求めることが可能で、これによりモデルのデータセットへの過度の適合を避けることができる。皮膚上より測定した近赤外スペクトルに対し本手法を適用したところ、GAによるアウトライヤー除去により血糖値に関する検量線の相関係数および予測値標準偏差の値が改善された。 |
J10 |
HIV-1の逆転写酵素阻害剤である1-[(2-hydroxyethoxy)methyl]-6-(phenylthio)thymine (HEPT)誘導体のQSAR解析を行った。遺伝的プログラミング(GP)を用いた多目的最適化によって変数の選択を行ったのち、counterpropagationネットワークを用いて非線形モデルを構築した。その結果、良好なモデルが得られ変数選択手法の有効性が示された。 |
J11 |
未知試料の測定値を目的変数、既知試料の測定値を説明変数として重回帰式を作成し、得られた重回帰式の係数から非分離で定量する方法を開発した。DCRは検量線の作成が不要で、2種類以上の化合物が混合していても精度よく定量することが可能である。さらに、重回帰式の相関係数から定量目的以外の不純物の存在や、未知試料が分析に使用可能か否かの判断も可能である。今回は、偽造500円硬貨の材質の定量をDCRでおこなった。 |
J12 |
ガス分離モジュールの設計支援システムに関して、分離モジュールの各種構造パラメータを変数として扱い、分離モジュールの分離性能を評価値として、遺伝的アルゴリズムを応用した構造最適化システムを開発した。ガス分離モジュールの性能評価には、計算流体力学(CFD)パッケージを拡張し、ガスの流れや濃度分極を反映しながらガス透過を扱えるようになったので、従来認知され得なかった最適化結果を得ることができた。 |
JP01 |
本研究では、Chemishによりフロンティア軌道とその電子情報をパラメータ化することを検討した。トポロジカルインデックスや軌道準位(エネルギー準位)では表現しにくい反応性をパラメータ化することができた。 |
JP02 |
分子構造解析のための実践的ソフトウェア開発の一環として,NMR化学シフト値から分子構造を推定するシステムの開発に着手した.本システムは,立体化学を考慮する13C NMR化学シフト予測システムCAST/CNMRの機能を補完する.すなわち,CAST/CNMRの必須入力データである分子構造を推定するための情報が本システムより提案される.今回,13CNMR化学シフト値とその組み合わせから立体化学を含む部分構造の候補をデータベースより獲得するシステムを設計・実装したので,実行結果と合わせて報告する. |
JP03 |
天然物関連化合物は、半体系的名称(母核構造名)に各種原子団名を付け加える以外に、母核について各種の構造修飾(原子の挿入・削除、結合の挿入・削除・入替)を行って命名される。それに伴って、母核構造の立体化学は複雑に影響される。前回の発表(第27回本討論会)で述べたことを受けて、今回は、@平面に配置する母核構造由来の環系自体の立体化学上の保持・反転の認知、A個別処理を総合した環原子個別の立体化学、Bsyn,anti,exo,endo の認知と立体化学表現 について述べる。 |
JP04 |
受容体表面の窪みと受容体原子による排除体積からなる ASE モデルは、結合部位の形状を的確に表現することができる。この形状モデルへの適合度を分子体積の窪みへの重なり度と排除体積への非重なり度から計算した ASE スコアとして求める。これを用いて、特定の受容体に適合するリガンド、あるいは逆に、特定のレセプタが適合する受容体を高解像度の受容体‐リガンド複合体構造のテストセットで求めた結果を報告する。 |
JP05 |
アデニル酸キナーゼは、ATP + AMP ←→ 2ADP の反応を触媒する酵素である。本研究では、酵素阻害剤複合体の立体構造をもとに酵素基質結合体モデルを構築し、分子力学、量子化学、およびQM/MM法(ONIOM法)などの計算手法により、酵素反応機構の詳細を明らかにすることを目的に研究をおこなった。酵素基質複合体と遷移状態、反応経路の構造とその相互作用について報告する。 |
JP06 |
N−アルキルエチレンジアミン、β−ジケトナト配位子およびハロゲン化物イオンを含むNi(II)混合配位子錯体の不活性溶媒中での不均化反応について、量子化学計算により反応機構を考察した。3種類の混合配位子錯体についてDFT法で最適化した構造は、X線による構造解析の値とよく一致した。不均化反応で生じる5配位の中間体において、四角錐形と三角両錐形とで熱力学的安定性がほぼ等しく、異性化の活性化エネルギーが非常に小さいことがわかった。 |
JP07 |
当研究室では継続的に各種有機化合物のプロトンNMRスペクトルデータの集積を行っている.本研究では,これらのデータを管理・利用するためのデータベース管理システムの改良を行った.Javaで開発したイントラネット上のメンテナンスツールにより,対話的にデータの追加・削除ができ,またその際にスペクトル情報と構造情報との整合性チェックを行えるようになった. |
JP08 |
有機化合物の匂いと構造には何らかの関係があると知られているが、その関係は未だに定式化されていない。当研究室ではこれらの相関解析の研究を支援するため、現在、約3,000種の有機化合物の構造式と匂いのデータベースを構築している。本研究では、各においカテゴリにはそのにおいの原因となる三次元共通部分構造(フラグメント)が複数存在するという仮説に基づき、においとフラグメントの相関解析を試みた。 |
JP10 |
有機分子や生体高分子に対する分子シミュレーションにおいて、分子力場の精度がその計算の信頼性を大きく左右する。従来の分子力場における問題点の一つとして、計算初期に決められた電荷分布を計算途中で変更しないため、構造変化に伴う静電的な誘起効果を取り入れることが出来ないという点が以前から指摘されてきた。そこで我々は、高精度分子力場MMFF94sの静電相互作用項に、新規電荷平衡法(NQEq)を取り入れた新しい分子力場ポテンシャル(MMFF/NQEq)を開発している。本研究では、アルコール、エーテル、および糖に対するMMFF/NQEqパラメータの最適化と検証を行った。 |
JP11 |
発表者らは密度汎関数法を用いたタンパク質の量子化学計算ソフトウエアProteinDFを基に、統合環境システムとなるProteinEditorの開発を行っている。タンパク質の全電子波動関数の計算を行うには、実際の計算以外にも構造最適化などの前処理や、計算結果の解析などの後処理において様々な操作が必要となる。本研究により、これらの処理を統括し、簡単かつ対話的に行えるようになった。発表では、ProteinEditorの各種機能について報告する。 |
JP12 |
ab initio ハートレーフォック分子軌道計算によってステロイドの同族体のフロンティア軌道を求め、その基本骨格原子上の電子密度の分布の特徴を多変量統計解析によって抽出し、薬理活性との比較をおこなう。基底関数はSTO-3G, 3-21G, 6-31Gの3種類を用いる。主成分分析をおこない、フロンティア電子密度の特徴から各種のステロイドをグループ分けして、主成分得点などからそれぞれのグループの意味づけをおこなう。 |
JP13 |
最近、細胞分化シグナルに関与する新たなマイクロドメイン糖脂質が発見され、ホスファチジルグルコース(PhGlc)と決定された。しかしながら、なぜPhGlcにおいて特徴的なマイクロドメインの形成が起こるかは明らかでない。本研究では、PhGlcの糖鎖部分の水酸基の向きがマイクロドメインの形成、或いはPhGlcの自己集合に関係があるのではないかと推測し、糖鎖部分の立体配座に注目して、その立体構造について分子軌道法を用いて解析した。 |
JP14 |
タンパク質の機能を解明するためには、エネルギー極小点における平衡構造の静的な様相や動力学的な特徴だけでなく、熱力学的な性質を理解することが重要である。特に、タンパク質の活性が著しく温度に依存することから、タンパク質の熱的ゆらぎは活性や機能の理解に重要であることを示唆している。そこで、我々はHIV-1プロテアーゼに対する、リガンドや水分子との複合体について基準振動解析を行ない、様々な振動モードの組み合わせについて調べた。調和振動モードを利用したタンパク質・リガンド複合体の誘起的な立体構造変化について解析を行なった。 |
JP15 |
Linear Response理論を用いて、Adenosine Deaminase 阻害剤の結合エネルギーの予測を実施した。分子軌道計算による亜鉛イオンとその周辺アミノ酸残基の部分電荷とリガンドの内部エネルギーを検討した結果、回帰パラメーターを用いることなく理論的に実測値を精度よく再現できた。 |
JP16 |
カーボンクラスターCnは各サイズごとに二次元的なものや三次元的なものなどの様々な構造異性体を持つ。カーボンクラスターの最安定な構造はサイズごとに異なり、小さなカーボンクラスターは単環状の構造が最安定であるが、n=18以上のところから、最安定な構造は三次元的な構造になる。共役炭化水素に対してヒュッケル則が成り立つように、単環状カーボンクラスターの安定な構造とπ電子数の関係はあるのであろうか。平面状カーボンクラスターCnは面内π電子を持つことにより、共役炭化水素にはない、特異な問題を提起する。本講演では、この問題を単環状カーボンクラスターCnについて調べる。用いる計算法はB3LYP法である。 |
JP17 |
発表者らは、タンパク質全電子計算において、一次構造に基づく品質の良い初期値を作成するQCLO法を開発した。一次構造だけでなく立体構造に注目する事により、更に高品位な初期値が作成できる事が予想される。タンパク質の三次構造に注目したQCLO法により、従来の方法に比べ、更に高品位な初期値を作成することが出来た。 |
JP18 |
蛋白質の機能を解明するためには、蛋白質の動力学的な性質を明らかにすることが重要である。特に酵素反応などの生体触媒反応の解明には、電子状態を含めた量子分子動力学計算が必須である。現在の計算機資源では蛋白質全体の量子分子動力学計算は困難であるが、計算対象を酵素の活性中心近傍に限れば可能である。本研究では、蛋白質の全電子状態を環境として取り込んだ部分シミュレーションを実現する手法について議論を行う。 |
JP19 |
最近、過剰ヨウ素存在下の有機溶媒に金が溶解・析出するという興味深い報告がなされた。金は金ハロゲン化物イオン(AuI2-, AuI4-)の形で存在している。本研究では、金の相対論的効果をECPを用いることで考慮したMP2、CCSD(T)、B3LYP計算により、金ハロゲン化物の3原子・5原子分子イオンの構造探索を行い、幾何学構造および電子構造の解析を行った。現在、反応機構の解析も行っている。 |
JP20 |
5-アリール[2,2']ビピリジル類は、固体状態からの発光が観測される点で有機発光素子材料として興味深い化合物である。この蛍光特性に関して半経験的分子軌道計算 (AM1-SDCI, ZINDO) を用いて、分子構造と蛍光特性の関連を理論的に考察した。溶液・固体両状態において強い蛍光を示すアミノ誘導体と、非常に弱い蛍光しか示さないメトキシ誘導体に関して、蛍光挙動を左右する第一励起状態(S1)およびその近傍のエネルギーレベルを調べた。 |
JP21 |
いくつかのアミノ酸には回転異性体が存在し、その機能を解析する場合、この回転異性体の割合について情報が必要になる。従来は、IRやNMRなどの分析機器をもちいてスペクトルを測定し、その解析から回転異性体の存在比をもとめていた。今回、そのようなアミノ酸のひとつであるフェニルアラニンについて陽イオン、陰イオン、両性イオン、コバルト(III)錯イオンの構造をMP2とDFT計算で最適化し、各回転異性体の安定性とNMRから得られている存在比の結果を比較検討した。 |
JP22 |
メチルアミンやその誘導体と水やフッ化水素との水素結合性の2分子クラスターの安定性について非経験的計算結果により議論する。また、さらにメチルアミンやその誘導体が作る多分子クラスターの安定性についても議論する。ポテンシャルエネルギー曲面、基底関数重ねあわせ誤差、相互作用エネルギー分割等について議論が主体となる。 |
JP23 |
アンモニアー希ガスの3量体クラスター、R2/(NH3)2, R/(NH3)2 (R=He,Ne, Ar)の、ポテンシャル曲面、安定構造について非経験的計算により議論する。昨年までは、MP2/aug-cc-pVTZによる結果を主として報告したが、今回は、CCSD、CCSD(T)の結果についても報告する。また、密度汎関数法での方法論的検討もおこなったので、その結果についても報告する。 |
JP24 |
半導体デバイス作製時の微細成膜形状はプロセスシミュレータで予測されるが計算コストが莫大である。計算過程をPLSなどでモデル化できれば計算コストの大幅な削減が期待できる。本研究では、エージェント技術を用いて、自律的にシミュレータを操作してトレーニングデータを作成し、汎用的なモデル化ソフトを操作してモデルを作るシステムを開発した。得られたモデルは予測性が高く、最適な成膜形状を得る条件を容易に求められるようになった。 |
JP25 |
PCBの塩素置換位置異性体について、その置換位置とガスクロマトグラフカラム保持時間(GCRT)との構造物性相関をおこなった。昇温プログラムを用いた従来の測定法では、GCRTが昇温過程に依存していた。そこで、定温過程で各種PCB個別のGCRTを測定した。次に、プロキィシミティブ位置にある塩素置換基対に注目し、PCB分子の幾何学的、トポロジカル的指標とGCRTとの関係を主成分回分析等から明らかにした。 |
JP26 |
アミノ酸配列からのタンパク質3次元構造の推定は困難な問題である。 特に、安定な構造を求める際、その探索空間は広大であるため、 計算時間の増加や、局所解に陥ることなどで最適解に至らないことが問題となっている。 そこで、局所解探索には半経験的分子軌道法(MOPAC)の計算を用い、 大域的探索には免疫アルゴリズムを用いて、より効率的な立体構造の推定方法を試みた。 |
JP27 |
視覚と力覚の連動により分子間力を体感できる新しい分子模型システム教材の開発に着手した.学習者はインタラクティブに分子を操作し,可視化される分子構造と物理的特性を視覚で捉え,これと連動して分子間力の引力と斥力の変化を力覚で感じとることで,マクロな世界では実感できない量子力学に基づく現象を擬似体験することができる.今回は,可視化ソフトウェアと力覚デバイスとの連携の基本システムの開発を行った.力覚デバイスとしてSPIDARを用いた.システムの考え方と合わせて報告する. |
JP28 |
生化学および生物学の概念をノードで表し,概念間に意味関係があればリンクで結ぶことで,生化学・生物学の概念ネットワークを構築している.新しい発見や研究の進展によって,新しい概念の出現や使われなくなった概念の消滅,さらには概念間の接続の変化が生じる.このように,この概念ネットワークは時間とともに変化するが,ここでは概念がどのような形跡を辿るかの予備的な解析結果について報告する. |
JP29 |
類似した機能のタンパク質間で共通な三次元的配置のアミノ酸残基群はタンパク質の機能発現部位を構成するという仮説に基づく、タンパク質の機能部位の発見法を検討して来た。発見がうまくいったか否かは、タンパク質の重ね合わせ等の経験的な方法によっていた。今回複数のしきい値を用いて抽出したアミノ酸残基群の分散度をその指標として用いる事を考案し、その妥当性を検討したので報告する。 |
JP30 |
自己組織化マップの方法を用いて,Gタンパク質共役型受容体の分類予測システムを開発し,アラインメントなしのデータに対して既知の15のファミリーを高精度で分類できることを既に報告している.引き続き,本システムに関しては,ニューロン数や距離の定義に対する予測性能の依存性についての検討を行った.それに基づく性能改善や階層的な分類,および他の方法による分類との比較などについて述べ,分類ツールとしての有用性を確認する. |
JP31 |
化審法既存化学物質安全性点検を加速化するために未点検の既存化学物質をターゲットとした化学物質特性予測システムを開発した。システムはインターネット上で化学構造式を入力すると骨格構造や部分構造情報及びlogPow等を計算し微生物による分解度試験とコイにおける濃縮度試験の予測値を出力する。 |