[[第3回]]の続きを最初に行う。

*生物情報科学 第4回 [#x7b2a6fc]

ホモロジーサーチに限らず、遺伝子情報解析の基本は配列比較である。
今日は、配列比較の基本知識を学ぶ。

** 分子進化学の基礎:配列比較 [#jb51baa7]

下図は、ヘモグロビンのα鎖の配列を6つの種間で比較したものである。
欠失や挿入をいれて対応する座位を”たて”に並べることを multiple alignment という。

&ref(Figure2.1.png,zoom,640x372);

Figure 2.1. Amino acid sequences of hemoglobin α-chains from six different
vertebrate species. Hyphens (-) indicate the positions of deletions or insertions,
and dots (.) show identity with the amino acids of the human sequence.

- A. 進化的に近い生物ほど配列は似ている。
- B. 逆に遠い関係の生物ほど配列は異なっている。

もう少し定量的に比較することを考えてみよう。

&ref(Figure4.2.png,zoom,640x359);

&ref(Table4.1.png,zoom,640x202);

 N ---- 比較した配列の座位数
 M ---- 配列間でアミノ酸が異なっている座位数

とすると、
 P = M/N

P は、アミノ酸が異なっている座位数の割合を表す。
アミノ酸置換がポアソン過程に従って起こると仮定すれば、 座位あたりの置換数 d は、
 d = -log( 1 - P )
となる。 

| 突然変異と置換 |h
|突然変異 | 個体に起きた塩基やアミノ酸の変異 |
|置換 | もともとはある個体に生じた変異が種全体の個体に広まったもの |
|多型(polymorphism) | 血液型のように、集団内に複数の遺伝子型が存在 |

&ref(Figure4.3.png,zoom,640x755);

- A. アミノ酸置換数はタンパク質毎に、分岐時間にほぼ比例している。
- B. 単位時間当たりの置換数(進化速度)はタンパク質ごとに異なる。

&ref(Table4.4.png,zoom,640x594);

塩基配列の場合の、pとdの関係(Jukes & Cantorの補正式)。

 d = -3/4log( 1 - 4/3p )

** コンピュータ実習 [#z40941b7]

NCBIでblastを実行し、ヒットした配列をfasta形式で入手する。

具体的手順は授業で指示する。

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